
花びらの香りに滲む頬の熱
新郎新婦控室には、まだ本物の主役たちの姿はなかった。窓越しに差し込む午後の光が、白いクロスをかけたテーブルをやわらかく染めている。この式場と契約するフローリストとして働く彼女は、卓の端に膝をつき、指先で薔薇の花びらを一枚ずつ並べていた。今日…
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新郎新婦控室には、まだ本物の主役たちの姿はなかった。窓越しに差し込む午後の光が、白いクロスをかけたテーブルをやわらかく染めている。この式場と契約するフローリストとして働く彼女は、卓の端に膝をつき、指先で薔薇の花びらを一枚ずつ並べていた。今日…
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窓から漏れるネオンサインの光が、閉店後の美容室に滲んでいる。色褪せた看板の「つむぎ」の文字に、彼女の足が勝手に止まった。子供の頃、彼が作ってくれた組紐の髪紐に結ばれていた札の文字と、寸分違わず同じだったから。十五年越しに再会した幼なじみが、黙って構えていた店の意味を知ったとき、もう後戻りはできなかった…
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閉館後の美術館、冷えた大理石の裏廊下に響く足音。ここは幼なじみだった二人が、子供の頃によく忍び込んだ場所だった。父親の転勤で離れ離れになり、再会を経て同居を始めて三ヶ月。改装プロジェクトの最終日、彼女はあの頃と同じ廊下を待ち合わせに選んだ。積み重ねてきた時間の続きを、二人はこの夜、確かめ合っていく。
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廃病院の壁に残る、鉛筆で刻んだ身長の跡。幼なじみの茜と悠人は、毎年八月にここで背比べをし、フェンスに残る蝉の抜け殻を数え合って育った。悠人の実家売却を巡る喧嘩から二日、取り壊しを控えた病院を再び訪れた二人は、積み重ねてきた時間の重みを確かめ合う……
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厩舎に響く聞き覚えのある嘶き。十四歳から乗馬を教わった「先生」の隼人と十年ぶりに再会した芽衣は、彼が今では同じ会社の新人として現れたことに戸惑う。老いた愛馬の預託料を十年間払い続け、色褪せたミサンガを袖口に隠していたと知った夜、積み重ねてきた時間の重みがようやく形を持って動き出す。幼なじみ再会ロマンス。
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祖母の家の屋根裏部屋にあった薔薇の壁紙を、大人になってから思いがけない場所で再び目にする。会員制バーの個室で目を覚ました三崎茜の腕を抱いていたのは、十年前に転校していった幼なじみ、拓海だった。子どもの頃に交わした指切りの約束も、彼が家を出た日の記憶も、時間が止まったように蘇る。薄闇の中で再会した二人は、積もった沈黙を埋めるように肌を重ねていく。幼なじみ再会ロマンス。
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中学時代に転校でいなくなった初恋の人と、十二年ぶりに病室で再会した。担当医として現れた彼は、あの頃と同じ照れ隠しの仕草で、毎夜私の病室を訪れ続ける。言葉を重ねるたびに埋まっていく空白の年月。そして消灯後の静寂の中、彼はついに、十二年間言えなかった言葉を告げた。
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ウィーンへ留学して五年、ピアニストとして帰国した翠の前に、幼なじみの春彦が現れた。能楽の家を継いだ彼は、「ずっと好きだった」という想いを胸に翠の演奏を追い続けていた。古い楽屋に鍵をかけ、積年の気持ちを打ち明ける彼の声は、五年前と変わらず真剣で。ずっと言えなかった「行かないで」が、ついに言葉になる夜。幼なじみ再会ロマンス。
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キャンピングカーの中、幼なじみの颯太から「大切な話がある」と呼び出された花音。物心ついた頃から寄り添い、大学進学で離れ離れになって五年。雨音に包まれた夜、ずっと言えなかった想いが溶け出していく。積み重ねた時間分だけ深い、幼なじみ再会ラブストーリー。
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小学生の頃、天文部で同じ星空を見上げ、流星群の夜にそっと手を握り合った幼なじみ。大学卒業後に別々の道を歩んだ二人が、一年ぶりに思い出の天文台で再会します。「友達」という言葉の裏に隠し続けてきた十五年分の想いが、冷たい夜気の中でほどけていく夜、望遠鏡の向こうに広がる星空の下で、心も身体も深く結ばれていく、じれったくも甘い再会の物語です。
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幼なじみとして二十三年を過ごした羽田あずさと遠坂拓実。三週間前の電話告白。「俺はお前が好きだ。ずっと前から」。その答えを出しに訪れた初夏の東屋で、ずっと隣にいてくれた手が、今日初めて「あずさ」だけのために触れてくる。甘くて、少し泣きたいような、二十三年分の初夜の物語。
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十年の空白を経て、ふるさとの海岸で再会した幼なじみの沙耶と渉。子どもの頃に並んで波を数えたあの岩場で、伝えられなかった気持ちと積み重ねてきた十年が、潮風の中でゆっくりとほどけていく。渉の温もりの中で記憶と今が溶け合い、ずっと胸の奥に仕舞い込んでいた想いがついに解き放たれる。
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