
水槽の静寂に灯る火照り
コンクリートの床に反響する水滴の音。水族館バックヤード特有の、重く湿った空気に包まれながら、汐里は閉館後のバックヤードで蒼と二人きりになっていた。さっきまでの言い合いでこわばっていた蒼の指先が、肩に触れた瞬間にふっと力を抜く。二年前、後輩として配属されてきた蒼にはすでに妻がいた。それでも越えてしまった一線の先で、汐里は今、誰にも言えない秘密を抱えている…
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コンクリートの床に反響する水滴の音。水族館バックヤード特有の、重く湿った空気に包まれながら、汐里は閉館後のバックヤードで蒼と二人きりになっていた。さっきまでの言い合いでこわばっていた蒼の指先が、肩に触れた瞬間にふっと力を抜く。二年前、後輩として配属されてきた蒼にはすでに妻がいた。それでも越えてしまった一線の先で、汐里は今、誰にも言えない秘密を抱えている…
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