廃病棟に捧げられた花嫁

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廃墟仲間との二年間

廃墟探索を始めてから、もう二年になる。

最初に誘ってくれたのは、グループの先頭を自然と担う彼だった。「面白いものを見せてやる」という一言で連れ出され、廃工場の暗がりを懐中電灯一本で歩いた夜を、彼女は今でも鮮明に覚えている。恐怖と興奮が綯い交ぜになったあの感覚が、廃墟という世界への扉を開いた。

五人いた仲間は都合でひとり減りふたり減り、今は四人組、彼女と、三人の男たちだ。崩れかけた床板を踏み外しそうになったとき、腕を掴んで引き戻してくれたのは彼だった。真っ暗な廊下で落下音に飛び上がり、気づけばその胸にしがみついていたこともある。暗闇の中で何度も触れた手。懐中電灯の光の中で交わした視線。言葉にならないまま、二年かけて積み重なってきたもの。

この廃病棟は、グループ最初の「聖地」だった。四人で初めて足を踏み入れた場所。

三か月前のその日、彼女は三棟目の病室のクローゼットの奥に、白いウェディングドレスが一着かかっているのを見つけた。埃をかぶりながらも形を保ったその衣装を取り出して広げると、まるでそこだけ時間が止まっているような静けさがあった。

「次に来るとき、着てみればいいじゃないか」

彼は、ふとそう言った。

「賭けの罰ゲームとして」

彼の目に、何かが宿っていた。悪戯心ではなく、もっと深いところから来る、じっとりとした熱気のようなもの。彼女はその目を見て、息をのんだ。

断ることもできた。賭けに勝つこともできた。しかしその夜から、彼女の心には静かな期待が巣食い続けた。彼らの眼差しに暴かれることへの予感。二年分の積み重ねが、この夜に向かって収束していくような、抗えない引力。

廃墟探索仲間との「賭け」に、彼女は意図的に負けた。

白い婚礼衣装を纏い、深夜の廃病棟の鉄製ベッドに横たわることを、彼女は自ら選んだのだ。

三方から迫る、熱い夜

埃まみれの鉄製ベッドの上で、彼女は花嫁衣裳をゆっくりと脱ぎ始める。袖口から覗く腕は震えており、生地が肌をしゅるりと滑り落ちる音が静寂に溶け込む。三人の男の視線が、蕾のような胸元へと集中する。湿った空気に漂うのは、古い消毒液の匂いと、彼女の放つ微かな甘い香り。

三人の中で自然と中央を占めた彼が手を伸ばし、首筋に唇を当てる。二年越しに触れるその温もりは、暗闇の中で何度か想像したものと寸分違わなかった。冷たい金属のベッドと温かい吐息の温度差が、背筋を走る。側面の男二人もまた、太腿や腰を撫で回し、布地を剥がしていく。ボタン一つ外れるごとに、膨らむ乳房のかたちがくっきりとあらわになる。

彼女は目を閉じ、喉の奥で小さな声を漏らす。理性の糸が、次々と引き千切れていく感覚。三人の指が互いに交錯し、彼女の身体を三方から分け隔てなく支配していく。緊張感が最大限に達した瞬間、花嫁はたまらず喘ぎ声を漏らし始める。

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足元に回り込んだ男が、その濡れた穴へ中指を滑り込ませる。指先が粘膜に触れるぬちゅという音と共に、彼女は腰を浮かせる。

「あっ、ん……」

抑えきれない嬌声が、天井の高い病室に響く。中央の彼が彼女の唇を奪い、舌で奥へと進入する。二年分の気持ちが溶け合うような唾液の熱さ。側面の男二人は乳首を挟んでねじり上げる。敏感な組織が圧迫され、彼女は背を大きく反らせる。

「まだ足りない……もっと最奥まで来て」

指が進むにつれ、内壁が収縮を繰り返す。粘液が溢れ出し、指を滑らせるぐちゅという音が激しさを増す。彼女の視界がぼんやりと霞み、世界は愛液の匂いで満たされていく。

中央の彼が陰茎を取り出し、先端から先走り液が滲んでいるのを確かめる。濡れた陰茎を彼女の秘所の入り口へ押し当てる。

「入れるぞ」

二年間聞き続けてきたその声が、こんなにも低く届く。

太い陰茎が入口を押し広げる。粘膜が引き伸ばされ、ぬぷりと奥深くまで入り込む瞬間、彼女は生理的な涙を浮かべる。陰茎が最奥まで達し、残る男たちが愛撫と指で彼女を支配する。

「あぁっ……!」

頭が真っ白になるほどの快感に包まれながら、中央の彼が腰を振り立て始め、残る二人も乳房の谷間や首元に自らを押しつける。ドクドクと鼓動を打つようなリズムで、粘液のぐちゅりという音が絶え間なく鳴り響く。彼女は頭を左右に振り、髪は汗でびっしょりとなる。

「もっと深く! 子宮まで突いて!」

叫び声と共に、三人の男が同時に精を放つ。中央の彼の精液が最奥へと注ぎ込まれ、残る二人が乳房の谷間と首筋に熱い迸りを浴びせる。

「あぁんっ、いっぱい……溢れちゃう……」

快感の波が全身を貫き、彼女は全身の筋肉を硬直させる。中央の彼が陰茎を深く突き刺したまま静止し、側面の二人もまた腰を動かすのを止め、熱い吐息を浴びせる。内側は精液で満たされ、とろりと外へ滲み出す。

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射精の余韻が残る中、両脇の二人が静かに身を引いた後、彼は彼女の身体をしっかりと抱き寄せた。密着したまましばらく呼吸を重ねる。汗に濡れた素肌同士が吸い付いたまま離れがたく、身体を離す拍子に、繋がっていた場所からぬくもりがふわりと零れ落ちる。

彼女は男の背中に回した腕に力を込め、顔を埋めた。このまま繋がっていたい、それは今夜だけの気持ちではない、と彼女は知っていた。やがて彼がゆるやかに腰を持ち上げると、密着していた肌がぬるりと剥がれ、冷たい空気が滑り込んだ。二人は微かに身震いし、それでも視線は離さなかった。

静まり返る廃病棟と、新たなゲームの予感

「これで、賭けの罰ゲームは終わりだな」

息を整えた男の一人が、静寂に戻った病室で皮肉交じりに笑った。

鉄のベッドの上で、ボロボロになった白いドレスをかき集める彼女は、まだ熱を帯びた身体を起こした。挑戦的な笑みが口元に浮かぶ。しかし彼を見つめる瞳には、悪戯よりも深いものが揺れていた。

「……罰ゲームだけで終わらせるなんて、誰も言ってないでしょう?」

その一言に、男たちは一瞬言葉を失った。彼だけが、静かに微笑んだ。

廃病棟に静寂が戻る中、男たちの目はすでに次の夜の廃墟を映していた。この儀式に、終わりなどなかった、そして二人の間に芽生えたものにも、もう引き返しはなかった。

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この物語は完全なフィクションです。実在の人物・団体とは一切関係ありません。

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作者より月森 潤

月森 潤

この物語のテーマは「積み重ねの爆発」です。 廃墟探索という、危険と美しさが共存する特異な趣味を持つ人間たちは、日常では決して生まれない種類の親密さを培います。暗闇の中で何度も触れた手、落下音に飛び上がって縋った腕、そういった小さな積み重ねが、言葉にできない気持ちを育てていく。 廃病棟という「聖地」に白いウェディングドレスという対極の色を置いたのは、二人の関係にとってある種の「始まりの場所」に戻ってくる意味を持たせたかったからです。罰ゲームに見せかけた、彼女自身が選んだ夜。それを静かに理解しながら仕掛けた彼。二人の間にある共犯関係が、廃墟の閉鎖的な空間の中でついに形を持ちます。 三人の男に翻弄される場面でも、彼女の意識の中には常に「中央の彼」がいる、そのズレが生む背徳感と切なさを、意識して描きました。廃墟という死の気配が漂う場所で、激しく生を謳歌するような情事になれば嬉しいです。 最後まで読んでいただきありがとうございました。

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